低用量ピル処方前に必要な血液検査とは?安全に使うための理由を解説

なぜピル処方前に検査が必要なの?

低用量ピルは高い避妊効果と月経コントロールなどの利点がありますが、一方で血栓症や肝機能への影響といったリスクも伴います。
そのため、安全に服用を開始するためには、ピルが体に合うかどうかを事前に確認するための検査が必要です。

ピル処方前に行う4つの基本的なチェック

当院では、ピルの初回処方時に以下の検査・確認を行っています。

  • ① 問診:年齢・喫煙歴・家族歴・BMI・持病・服用中の薬などを確認します。
  • ② 血圧測定:高血圧はピルの禁忌事項のひとつ。必ず事前に測定します。
  • ③ 既往歴確認:過去の病歴や副作用歴を確認します。
  • ④ 採血検査(生化学+凝固):肝機能・血栓リスクを血液でチェックします。

採血で確認する項目とその理由

ピルによる副作用のリスクを最小限に抑えるため、以下の項目を確認します。

■ 生化学検査(肝機能)

  • AST(GOT) / ALT(GPT): 肝細胞のダメージをチェック
  • γ-GTP: アルコール性や薬剤性肝障害の有無を確認

ピルは肝臓で代謝される薬のため、肝機能が低下していると副作用のリスクが上がります。特に過去に肝機能異常があった方や、お酒をよく飲む方は要注意です。

■ 凝固系検査(血栓リスク)

  • PT(プロトロンビン時間): 血液の固まりやすさの基本的な指標
  • APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間): 内因系の凝固異常を確認
  • Dダイマー: 血栓がすでにできていないかをチェック

ピル服用により静脈血栓塞栓症(VTE)などのリスクがわずかに上昇します。とくに喫煙・肥満・家族歴・高齢・片頭痛持ちの方では血栓症の事前スクリーニングが重要です。

検査はどれくらい時間がかかる?結果はいつ出る?

問診と血圧測定は数分で完了し、採血も短時間で済みます。
検査結果は最短当日〜翌日に確認できるため、初診当日の処方が可能なケースもあります(※検査状況により異なります)。

安全性を重視する方にこそ受けてほしい

「ピルは手軽に飲める薬」と思われがちですが、医療機関での処方にはきちんとした理由があります。
副作用リスクを未然に防ぎ、安心してピルを使い続けていただくためにも、これらの検査を大切にしています。

当院では、初回採血料 ¥4,400(税込)で上記の検査を実施しており、LINE予約でスムーズにご案内可能です。

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