なぜイソトレチノイン処方前に検査が必要なの?
イソトレチノインは、重症ニキビや繰り返すニキビに対して高い効果が期待できる内服薬です。一方で、肝機能障害・脂質異常・妊娠への重大な影響など、医師の管理が必要なリスクもあります。
そのため、安全に治療を開始・継続するためには、イソトレチノインが体に合うかどうかを確認するための検査が必要です。
イソトレチノイン処方前に行う基本的なチェック
当院では、イソトレチノインの初回処方時に以下の確認を行っています。
- ① 問診:年齢・妊娠可能性・妊活中かどうか・授乳中かどうか・持病・服用中の薬などを確認します。
- ② 既往歴確認:肝機能障害、脂質異常症、ビタミンA過剰症、精神症状、薬剤アレルギーなどの既往を確認します。
- ③ 併用薬確認:テトラサイクリン系抗菌薬、ビタミンA製剤など、併用に注意が必要な薬がないか確認します。
- ④ 採血検査:肝機能・脂質代謝を血液検査でチェックします。女性は妊娠の有無も確認します。
採血で確認する項目とその理由
イソトレチノインによる副作用のリスクを最小限に抑えるため、以下の項目を確認します。
■ 肝機能検査
- AST(GOT) / ALT(GPT): 肝細胞への負担やダメージを確認
- γ-GTP: アルコール性・薬剤性肝障害の有無を確認
イソトレチノインは肝臓で代謝される薬です。肝機能が低下している状態で服用すると、肝臓への負担が強く出る可能性があります。
■ 脂質代謝検査
- 中性脂肪(TG): 急性膵炎リスクにつながる脂質異常を確認
- LDLコレステロール: 脂質代謝への影響を確認
イソトレチノインでは、服用中に中性脂肪やコレステロールが上昇することがあります。特に中性脂肪が大きく上昇すると、急性膵炎のリスクがあるため注意が必要です。
■ 女性の方:妊娠確認
イソトレチノインには強い催奇形性があるため、妊娠中・妊娠の可能性がある方・妊活中の方は服用できません。
女性の方は、必要に応じて妊娠の有無を確認しながら、安全に治療を進めます。
検査はいつ行うの?
当院では、安全管理のため、以下のタイミングで採血を行います。
- 開始前:肝機能・脂質に異常がないか、治療開始前の基準値を確認します。
- 開始1ヶ月後:薬に対する急激な反応がないかを確認する、最も重要な検査です。
- その後:数値が安定していれば、3ヶ月に1回程度、または増量時に確認します。
過去3〜6ヶ月以内の健康診断結果で、肝機能・脂質項目が確認できる場合は、初回採血の代用が可能なことがあります。
検査結果で異常が出た場合は?
採血で異常が見つかった場合は、数値に応じて医師が判断します。
- 中性脂肪の上昇:食事指導、減量、再検査、必要に応じて休薬を検討します。
- 中性脂肪が500mg/dL以上:急性膵炎のリスクがあるため、原則として服用を中止します。
- AST / ALTが基準値上限の3倍以上:肝障害リスクを考え、原則として服用を中止します。
安全性を重視する方にこそ受けてほしい
イソトレチノインは、正しく使えば非常に頼もしいニキビ治療薬です。しかし、血液検査なしで薬だけを飲み続けるのは危険です。
肝機能障害や脂質異常は、自覚症状がないまま進行することがあります。
当院では、初回採血料 ¥5,500(税込)で安全管理に必要な検査を実施しています。
ニキビをしっかり治すことはもちろん、体への負担を見逃さず、安全に治療を続けていただくためにも、採血検査を大切にしています。